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日本拳法とは

動物の運動は生存要求の食物を求めることと自衛とに基づく

人間の場合は、もちろん、これらのこと以外にも、高尚な精神活動としての運動もするものである。だがすべての運動の基底に、他の動物と同様な「食物を求めること」(生活のための職業)と「自衛」とが現存していることは否めないのである。  

したがって、われわれは自衛能力を先天的な素質としてもっている。身を護るために敵と戦うことは、教えられなくても、万人が心得ている。この先天的な素質を後天的な学習開発したものが武術なのである。そして、そのうちの、もっとも始元的な素手の戦いの素質を学習開発したものが、すなわち拳技格闘の武術である。 したがって、この種類の武術は、人類の至るところ、古今東西を問わずして存在するのである。  

しかし、拳技は至って危険なために、自由に撃合って稽古や試合をすることができず、形(かた)の稽古や演武をするのみであった。西欧のボクシングは、グローブの創案によって撃合いをするといえども、これは制限された拳技のみになっている。そこで、澤山宗家は、拳技も蹴技もつかい、また組打格闘の技も用いて、天性の素質を充分に開発すべく、防具を創案して自由に撃合い、稽古、試合をする法を創めたのであった。これが日本拳法なのである。  

日本拳法の練成効果は絶大である。著しく強くなる。この強くなることによって、人間は心理的に無意識が改造される。劣等感が除去され、心にゆとりができる。この心のゆとりこそ、人間をその本来に還元し、倫理の感覚を湧かしめる。ここに日本拳法に倫理の心が宿り、武の道となる。この解説、至って簡略であるが、これが日本拳法の概要である。